街中には、見過ごされがちな草花や雑草がたくさん咲いています。
それらは、人間には気づかれない小さな生き物「じっちょりん」のおかげなのです。
かとうあじゅさん描く「じっちょりん」シリーズは、草花とじっちょりんの不思議な関係を描いた絵本です。
季節ごとの様々草花が名前と併せて細かく描かれていて、草花図鑑のように学べる魅力があります。
この記事では、この絵本シリーズの魅力や内容について、まとめてご紹介します。
街で見かける草花や雑草を学べる絵本を探している方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
本記事の執筆者
絵本選びに困っている方!
このブログでは、1000冊以上絵本を読んだ私がひと目でわかる絵本チャートを使って絵本を紹介しています。
実際に私が読んで感じた、絵本の特徴を見える化したものが「ひと目でわかる絵本チャート」です。
気になる絵本は、どんどんチェックしてみてください。
じっちょりんシリーズ 魅力
じっちょりんシリーズの魅力を、ざっくり3点にまとめました。
春夏秋冬の草花を学べる絵本図鑑
街で見かける草花が、名前と併せて描かれていて、物語を楽しみながら草花を学べます。
身近な自然がテーマ
カタバミ、ハルジオン、ドクダミ……。
いわゆる雑草と呼ばれる街の身近な草花が主に描かれているので、散歩をしながら草花を探す楽しみが生まれます。
小さな視点
私たちが普段見慣れたものが、じっちょりんにとっては全く違うものに見えるというスケール感が新鮮です。
じっちょりんシリーズ で何を伝える?
じっちょりんシリーズで、子供にこんなことを伝えることができます。
小さな自然に、目を向けよう
私たちは普段、道端の草花を見ても気に留めません。
でも、その草花にはそれぞれにちゃんと名前があって、町中に彩を与えています。
小さな小さなじっちょりんの目線で、都会の道端に咲く草花が名前と併せて描かれている、この絵本シリーズ。
名前を知ることで、草花の形を知ることで、身近にある小さな自然に目を向けるきっかけを作ってくれます。
じっちょりんシリーズ 対象年齢
実際に読んでみて感じた、じっちょりんシリーズの対象年齢は3歳以上。
対象年齢 | 3歳以上 |
文字量 | やや多い
|
物語の内容 | 適度 |
文章のリズム | 良い
|
3歳半ごろから楽しめる絵本です。
じっちょりんシリーズ まとめ
じっちょりんシリーズの絵本を、発行日順に紹介していきます。
記事の最後に「おすすめランキングTOP3」を紹介していますので、速く知りたい方はジャンプしてください。
作品 |
じっちょりんのあるくみち | じっちょりんと おつきさま | じっちょりんの なつのいちにち | じっちょりんの ふゆのみち | じっちょりんの たんじょういわい |
作・絵 | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 |
発行日 | 2011年5月 | 2012年9月 | 2013年6月 | 2014年12月 | 2023年3月 |
あらすじ | 人間に気付かれないように、草花の種を蒔きながら街に彩をもたらす「じっっちょりん」のお話 | 秋の夜に、「じっちょりん」たちがお月見を楽しむ様子が描かれた物語 | 「じっちょりん」たちが種を探すために、夏の日の街を冒険する様子が描かれた物語 | 「じっちょりん」たちが冬を越すために、おじいちゃんとおばあちゃんの家を目指す様子が描かれた物語 | 桜の花びらが舞う季節に、「じっちょりん」たちが新しい命の誕生を祝う様子を描いたお話 |
季節 | 春 | 秋 | 夏 | 冬 | 春 |
登場する 草花 | カタバミ ヘビイチゴ オオイヌノフグリ ナズナ ハハコグサ ホトケノザ など | ヒメツルソバ ナツヅタ ススキ ナデシコ オミナエシ キキョウ など | ドクダミ ツユクサ ネジバナ ヘクソカズラ スベリヒユ ホオズキ など | カンツバキ ハルジオン ヒメジョオン ナズナ タネツケバナ アメリカフウロ など | カタバミ アカカタバミ チチコグサ ハハコグサ ホトケノザ ヒメオドリコソウ など |
じっちょりんのあるくみち
あ
作品名 | じっちょりんのあるくみち |
作・絵 | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 |
発行日 | 2011年5月 |
ページ数 | 32ページ |
税込価格 | 1,430円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
絵本 チャート |
「じっちょりんシリーズ」1作目となる絵本です。
あらすじ
じっちょりんのあるくみちは、人間に気付かれないように、草花の種を蒔きながら街に彩をもたらす「じっっちょりん」のお話です。
- 団地の隅に住んでいる、小さな家族「じっちょりん」。
- じっちょりんは、花の種を植えながらお散歩します。
- 猫や犬や車などの危険を避けながら、アスファルトの隙間にせっせと種を蒔く。
- じっちょりんのお陰で、街に色と命が溢れます。
じっちょりん
じっちょりんたちの草花への優しい思いや、街が草花で彩られていく様子に、心温まります。
じっちょりん家族に、道端の草花に、感謝せずにはいられなくなる絵本です。
身近にある「小さな自然」に目を向けるきっかけを作ってくれます。
あ
じっちょりんとおつきさま
あ
作品名 | じっちょりんとおつきさま |
作・絵 | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 |
発行日 | 2012年9月 |
ページ数 | 32ページ |
税込価格 | 1,430円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
絵本 チャート |
「じっちょりんシリーズ」2作目となる絵本です。
あらすじ
じっちょりんとおつきさまは、秋の夜に、「じっちょりん」たちがお月見を楽しむ様子が描かれた物語です。
- 人間に気付かれないように、花の種を植えながらお散歩する「じっちょりん」。
- 今日は、仲間たちとお月見。
- 「おたのしみの実」を作るため、公園で秋の草花を集めます。
- 夜になり、集まったじっちょりん達は、「おたのしみの実」を交換し合って楽しみます。
秋の草花と秋の虫
オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギの秋の七草。
また、コオロギ、マツムシ、スズムシなどの秋の虫たちも登場。
秋という季節を、身近な自然から感じとれる絵本です。
秋の七草の覚え方は、「おすきなふくは?」です。
あ
じっちょりんのなつのいちにち
あ
作品名 | じっちょりんのなつのいちにち |
作・絵 | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 |
発行日 | 2013年6月 |
ページ数 | 32ページ |
税込価格 | 1,430円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
絵本 チャート |
「じっちょりんシリーズ」3作目となる絵本です。
あらすじ
じっちょりんのなつのいちにちは、「じっちょりん」たちが種を探すために、夏の日の街を冒険する様子が描かれた物語です。
- ある夏の日、じっちょりん家族は種を集めるためにお散歩へ。
- 日陰を探しながら歩いていくうちに、急に空が暗くなって大粒の雨が。
- じっちょりん家族は、ほおずきの実の中に入って雨宿り。
- 雨が止み、ほおずきから飛び降りた妹じっちょりんにトラブルが……。
小さな小さな視点の「夏」
強い日差しにも負けずに咲く、ドクダミやツユクサ。
夕立の雨宿りになってくれた、ホオズキ。
小さな視点で見る、夏の草花の美しさや力強さを感じることができます。
暑い夏でも、散歩が楽しくなる絵本です。
あ
じっちょりんのふゆのみち
あ
作品名 | じっちょりんのふゆのみち |
作・絵 | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 |
発行日 | 2014年12月 |
ページ数 | 32ページ |
税込価格 | 1,430円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
絵本 チャート |
「じっちょりんシリーズ」4作目となる絵本です。
あらすじ
じっちょりんのふゆのみちは、「じっちょりん」たちが冬を越すために、おじいちゃんとおばあちゃんの家を目指してお散歩する様子が描かれた物語です。
- 冬を越すために、じっちょりん家族はおじっちょりんとおばっちょりんの家へ向かうことに。
- 道中、冬の姿で春を待つ草花を観察しながら歩きます。
- おじっちょりんとおばっちょりんの家がある裏山に着くと、様々な形をした入り口が。
- 入り口の階段を降りていくと……。
冬の草花を知る
太陽の光を浴びるために、冬でも地面に葉っぱを広げてロゼットの形をとる草花。
寒い冬でも、ひときわ綺麗に咲くカンツバキ。
冬の自然の美しさや、力強さに気づかせてくれる絵本です。
冬を越すために、それぞれの形で春を待つ草花や木々の様子が描かれています。
あ
じっちょりんのたんじょういわい
あ
作品名 | じっちょりんのたんじょういわい |
作・絵 | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 |
発行日 | 2023年3月 |
ページ数 | 32ページ |
税込価格 | 1,540円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
絵本 チャート |
「じっちょりんシリーズ」5作目となる絵本です。
あらすじ
じっちょりんのたんじょういわいは、桜の花びらが舞う季節に、「じっちょりん」たちが新しい命を祝う様子を描いたお話です。
- 桜の花びらが舞う季節に、じっちょりんは生まれます。
- 赤ちゃんを迎えるため、じっちょりん家族は大きな桜の木を目指すことに。
- ママじっちょりんは、赤ちゃんの分までしっかりと栄養を摂ります。
- 春の草花に出会いながら、家族みんなで「たんじょういわい」の準備を進めます。
似ている春の草花
「じっちょりんのあるくみ」でも、春の草花が描かれていましたが、今作は「似ている春の草花」がセットでたくさん登場。
カタバミとアカカタバミ、チチコグサと、ハハコグサ……。
「じっちょりんのあるくみ」と併せて読むと、春の草花博士になれます。
じっちょりんが植えた草花の種が、春を迎えて花開いた様子も美しく描かれています。
あ
迷ったらコレ! じっちょりんシリーズ おすすめTOP3
本記事で紹介したじっちょりんシリーズ絵本の中で、どれがおすすめなのか。
絵本の虫きりんが厳選した「じっちょりんシリーズ絵本ランキング」を、トップ3までご紹介します。
第1位|じっちょりんのあるくみち
あ
かとうあじゅさんのデビュー作であり、じっちょりんシリーズの1作目となる絵本。
電信柱の根元、コンクリートの道や壁の隙間に、種を植えて歩くじっちょりん。
街中の雑草に、目を向けたくなる素敵な絵本です。
第2位|じっちょりんのたんじょういわい
あ
じっちょりんシリーズの5作目となる絵本。
「じっちょりんのあるくみ」と同じ「春」をテーマにしているものの、さらにたくさんの春の草花が登場。
春のお散歩を楽しみたい方は、絶対に「じっちょりんのあるくみ」と併せて読んで欲しい1冊です。
第3位|じっちょりんのなつのいちにち
あ
じっちょりんシリーズの3作目となる絵本。
暑いだけじゃない、夏の素敵で身近な自然がたくさん描かれています。
とあるアクシデントで家族とはぐれてしまう、弟と妹じっちょりんの小さな冒険も楽しめます。
まとめ
今回は、かとうあじゅ さんが描く小さなじっちょりんの大きな冒険絵本「じっちょりんシリーズ」をまとめて紹介しました。
植物の描き方が素晴らしく、普段見過ごしてしまう自然の美しさや不思議さに気付かせてくれる魅力がある絵本です。
小さな生き物の世界に入り込んで、自然とのふれあいを楽しみたい方やかわいくて個性的な絵が好きな方にお勧めです。
まだ読んだことのない方は、ぜひチェックしてみて下さい。
作品 |
じっちょりんのあるくみち | じっちょりんと おつきさま | じっちょりんの なつのいちにち | じっちょりんの ふゆのみち | じっちょりんの たんじょういわい |
作・絵 | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ | かとう あじゅ |
出版社 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 | 文溪堂 |
発行日 | 2011年5月 | 2012年9月 | 2013年6月 | 2014年12月 | 2023年3月 |
あらすじ | 人間に気付かれないように、草花の種を蒔きながら街に彩をもたらす「じっっちょりん」のお話 | 秋の夜に、「じっちょりん」たちがお月見を楽しむ様子が描かれた物語 | 「じっちょりん」たちが種を探すために、夏の日の街を冒険する様子が描かれた物語 | 「じっちょりん」たちが冬を越すために、おじいちゃんとおばあちゃんの家を目指す様子が描かれた物語 | 桜の花びらが舞う季節に、「じっちょりん」たちが新しい命の誕生を祝う様子を描いたお話 |
季節 | 春 | 秋 | 夏 | 冬 | 春 |
登場する 草花 | カタバミ ヘビイチゴ オオイヌノフグリ ナズナ ハハコグサ ホトケノザ など | ヒメツルソバ ナツヅタ ススキ ナデシコ オミナエシ キキョウ など | ドクダミ ツユクサ ネジバナ ヘクソカズラ スベリヒユ ホオズキ など | カンツバキ ハルジオン ヒメジョオン ナズナ タネツケバナ アメリカフウロ など | カタバミ アカカタバミ チチコグサ ハハコグサ ホトケノザ ヒメオドリコソウ など |